限界エンジニアの冒険録

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部下の「ダブルバインド(板挟み)」を防ぐために実践していること

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どうも。

 

皆さんは「ダブルバインド」という言葉をご存知でしょうか。

 

「ダブルバインド」とは「2重拘束」という日本語訳の通り、

「矛盾した命令を遂行しなければならない状況」のことを言います。

 

例えば…

上司から「疑問点があるのに、なぜ聞きに来ないんだ!」と注意されたので、別の機会に疑問点を聞きに行くと「人に聞かずに自分で考えろ!」みたいな(苦笑)

このような「2つの矛盾した命令を遂行しなければならない(逃げられない)状況」「ダブルバインド」です。

 

よくある教育の風景だと思われる方もいるかもしれませんが、ダブルバインドに陥った人には、様々な身体的・精神的な悪影響があると示唆されています。パワハラやモラハラにも(コミュニケーション不足の観点で)該当する可能性があるため、マネジメントや教育に携わる人は注意が必要です。

 

本日は、中間管理職の僕の「ダブルバインド」についての考えと、部下の「ダブルバインド」を防ぐために、僕が実践していることについて説明したいと思います。

ダブルバインドに陥りやすい環境は?

「命令が矛盾していること」と「逃げられないこと」

ダブルバインドの状況が作り出される条件は「遂行する命令が矛盾していること」と、それらを遂行することから「逃げられないこと」です。日本人的な「仕事観」において、上述の「逃げられないこと」にダブルバインドに陥りやすい原因があると思っています。

 

要は「上司も人間なのだから行動・言動に多少の矛盾は発生する」ことを前提に、それを「部下が否定したり、矛盾を聞き入れない関係性や環境を作ること」ができれば、ダブルバインドは発生しないわけです。究極的には「まぁ、部下の判断(裁量)で多少のミス(過失)が出ても何とかなるでしょ」くらいの余裕があればいいのですが、現代の日本において、こんな考えが許される企業がどこにあるかは疑問ですね(;^_^A

 

裁量を与えられず、仕事も分からないことだらけで、上司を説得することもできない「新人(若手)や異動したばかりの方」がダブルバインドに陥りがちなのです。仕事を覚えてもらうまでは、可能な限り論理的に、かつ相手の置かれた状況を考えて、気長に指導することが大切というわけです。

 

僕も部下がいるので教育や指導を行うのですが、仕事の「感覚的な部分」を教えるのはなかなかに難しいですね。文章1つとっても「何となくこうしたほうが良い・・・」みたいな添削をどうしてもしてしまうので、矛盾が発生しないよう意識しながら接するようにしています。

 

ダブルバインドは様々な形で存在している

上述した「1人の上司からの矛盾した命令」以外にも、ダブルバインドに陥る状況は存在します。例えば、「上司の命令と自分の意志が矛盾しているケース」「複数の上司からの命令が矛盾しているケース」が挙げられます。

 

前者の場合は、上司と話し合い、認識の齟齬を埋めることができれば、比較的容易にダブルバインドを解決することが可能です。

問題は後者の場合ですね。上司にもプライドやメンツがありますから、下手に部下からアプローチすると、最悪の場合、会社内の派閥(までいかなくても勢力)争いに巻き込まれる可能性もあります。こういう場合、2人の上司をコントロールできる「更に上の上司」を交えた話し合いや、職場の体制変更が必要になることも多いです。(その話し合いの中で更にダブルバインドが発生したりして、疲れてしまいますよね…(;^_^A)

 

僕のダブルバインド経験談

そんな僕が経験した最も過酷なダブルバインドは、忘れもしない新人として配属されたばかりの頃です。上述の「複数の上司からの命令が矛盾しているケース」でした。

 

僕は、2人の中堅社員のいるチームに配属されました。「チーム全体で教育をする」という方針のもと、当時の上司はこの2人の中堅社員に、僕の教育を任せたのです。

 

2人の中堅社員は、仲自体は悪くは無かったものの、仕事の仕方で何度か衝突したことがあったようでした。2人の仕事の進め方を端的に言えば、

中堅社員A・・・細かいことは気にせず、フレキシブルに対応する

中堅社員B・・・細部にまでこだわり、予め決めた方針に基づいて対応する

というような感じです。もう書いているだけで、地雷臭がプンプンしてきますよね。僕は、こんな性格も考え方も合わない2人の教育係に挟まれて、日々消耗しながら100時間残業していました。今思うと、この時が一番「限界エンジニア」していたかもしれません。

 

当時は「ダブルバインド」なんて言葉も知らず、仕事は理不尽なものだ…とひたすらに飲み込み、若さで何とか乗り切りました。ただ、もし心折れていたらと考えると、ゾッとしますね(;^_^A

 

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部下のダブルバインドを防ぐために実践していること

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「ダブルバインド」が何かを理解頂いたところで、本項では、「僕が上司として、部下のダブルバインドを防ぐために実践していること」を紹介したいと思います。

新人時代、実際にダブルバインドに苦しめられたからこそ、分かることもあると思います。職場環境を良くするために、部下たちに健康かつ効率的に成長してもらうために、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

部下の状況・立場に配慮したコミュニケーションを取る

1つ目に実践していることは、管理職である自分自身が注意すべき「コミュニケーション方法」です。

指示を出す際に、部下が仕事をこなす上で何が問題・課題になっているかを、今一度考えましょう。まぁ、本来は当然のことなんですが、意外とできてない人が多いんですよね。ダブルバインドは、こういう通常業務のコミュニケーションの中で発生しているわけです。

 

その一方で、管理する側の観点からすると「自分が直面した課題と、乗り越えてきた方法以外の観点でアドバイスをすることが難しい」のも事実です。部下の状況を深く理解するのに時間的・労力的な限界もあります。そのため、ついつい効率化を重視した自分本位のアドバイスになりがちで、部下の状況や立場を考慮に入れていないことも多くなってしまうんですよね。

 

だからこそ僕は、日頃から部下と適度なコミュニケーションを取っておき、その部下特有の課題パターンが存在しないか、常にアンテナを伸ばしながら接するようにしています。

 

指示命令系統を1本の線に絞る

2つ目に実践していることは、指示・命令を出す体制の整理です。

上述したように、指示・命令を出す上司が複数いるだけで、板挟み・ダブルバインドは発生しやすくなります。これを防ぐために、指示や命令を出す際のルートを1本に絞るわけです。この体制整備を行うだけで、ダブルバインドに陥るリスクをかなり減らすことができると思います。

 

もし、このような体制を整えるのが難しい場合でも、教育係となる人が窓口となって、タスクの受け口を一本化して、仕事の進め方やボリュームをコントロールしてあげるだけでも良いのです。特に、分からないことだらけで裁量が与えられていない教育期間中は、この体制整理を徹底する方が良いと思います。

 

ポジティブ・ダブルバインドな状況を作る

3つ目は、前述の2つの取り組みを合わせた内容です。それは「ポジティブ・ダブルバインドな状況を作るように心がけること」です。

 

「ポジティブ・ダブルバインド」とは、2つの矛盾した命令・指示が出された際に、どちらを選択しても成功する状況のことです。自己肯定感や他人への信頼感を取り戻すための認知行動療法として利用されているノウハウです。

 

社会人教育の立場で言うならば、「どちらを選んでも成功するのだから、後は君のセンスに任せるぜ!」と言う形で「裁量」を与えるわけですね。これにより、部下は自己肯定感や自信を付けられるだけでなく、考える習慣や課題解決力、業務に対する責任感を身に着けることができるはずです。

ただし、もちろん丸投げするのではなく、1つ目・2つ目の取り組みと合わせて、困ったときのセーフティプランを確立しておくことが前提になります(;^_^A 

 

ちなみに、「ポジティブ・ダブルバインド」を職場全体で実現できれば「組織での教育」にも良い影響があります。上述の「1本化された指示命令系統」に属さない、外部からのアドバイスにおいて、教育される側が受け入れるアドバイスを選択できるからです。

外部からのアドバイスは有益な内容もありますが、教育方針や事情を考慮していない無責任なアドバイスも存在します(人はそれをお節介と言います笑)。教育係が窓口となってアドバイスにフィルターをかけても良いのですが、直接新人に余計なアドバイスを言う輩もいるわけで、現実的ではありません(;^_^A

これらのアドバイスを全て守るのは物理的にも論理的にも難しく、結局そこでダブルバインドが発生してしまいます。だからこそ、教育される側に自分の考えでアドバイスを取捨選択させ、

「どのアドバイスを受け入れても(受け入れなくても)、キミは成長できる!」

として、自発的な成長を促すことが重要です。

あ、でも、上司や教育係の方は、部下の(キャリア志向の)相談に乗ってあげて、間違った方向に進もうとしたら、軌道修正するようにしてあげてください。もちろん、お節介な方へのフォローもして、部下が悪者にならないように根回しするようにしてあげてください(;^_^A

 

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最後に

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以上が、矛盾した板挟み「ダブルバインド」についての説明と、部下をダブルバインドから守るために、僕が実践していることの紹介記事でした。

ダブルバインドは、日常業務の様々な場面で発生する可能性がある「パワハラ」事由です。「辛い環境を乗り越えてもらう」だけの教育やマネジメントは簡単ですが、仕事に前向きに、健康的に成長していってもらってこそ、組織全体で成長できる「教育」であり、人を管理する「マネジメント」なのではないでしょうか。

 

と言っても、僕自身、指示に矛盾点が無いように心がけていますが、やっぱり難しいんですよね。まだまだ自分の管理・教育能力は半人前です、今後も精進していきます。

 

皆さんも、ダブルバインドの発生しないチーム作りを心掛け、自分自身を含めたチーム全体が、健やかに、かつ自発的に成長していけるよう働きかけていきましょう。

 

では、また。