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【考察】インサイド・ヘッドは割と忠実に「脳と心の仕組み」を表現していると思う

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画像引用:作品情報|インサイド・ヘッド|映画/ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー

 

どうも。

 

皆さんは、インサイド・ヘッドの地上波初放送をご覧になりましたか?

個性豊かなキャラクター達と、ホロッとさせる切ない演出が素敵な作品ですよね。僕は3度目の観賞だったのですが、何度観ても考えさせられる素敵なストーリーだと思います。

 

しかし僕は、そんなインサイド・ヘッドを観て、

「この作品は割と忠実に「脳と心の仕組み」を表現しているのではないか?」

と感じてしまうわけですよ。ライリーの脳内の感情たちのやりとりは、空想科学とは思えない作り込みだと思ってしまいます。

 

そこで本記事は、「映画「インサイド・ヘッド」から考える脳と心の仕組み」として、映画の考察をしたいと考えています。脳の仕組みをイメージしやすい、奥が深い作品だと思いますので、ぜひ皆さんもディズニーが描く脳科学を感じてみてください。

インサイド・ヘッドで描かれる「脳と心の仕組み」とは

頭の中に住んでいる5つの感情たち

インサイドヘッドの舞台は、ライリーという少女の頭の中です。

彼女の頭の中には、ヨロコビ(Joy)、カナシミ(Sadness)、イカリ(Anger)、ムカムカ(Disgust)、ビビリ(Fear)という、5つの感情たちが住んでいて、それぞれ名前通りの感情を制御しています。

 

 

感情たちはライリーの身に起こる出来事に対して、随時「脳内会議」を行いながら、ライリー自身に感情や行動の指示を出します。

 

このようにインサイド・ヘッドで描かれる脳の仕組みは、

「頭の中に可愛らしい感情たちが住んでいて、頭の中でいつもドタバタコメディを引き起こしながら、意思決定が行われている」

というファンタジーとして描かれているわけです。

 

実際の脳の仕組みと神経伝達物質

では、本物の脳の仕組みを考えてみます。

脳内において感情や行動を制御する物質に「神経伝達物質」というものがあります。

 

これは、脳を構成する神経細胞の1つ1つがシナプス間で情報(刺激)を伝達する際に分泌される物質で、その分泌により、喜びや悲しみ、攻撃的な感情など、様々な感情が湧き上がると共に、人間にその感情や思考に基づいた判断を促します。

また、うつ病やパニック発作などの心の(脳の)病気の大きな原因の1つに、これらの神経伝達物質の分泌不全や過剰分泌があるとも言われています。

 

つまり、何らかの感情が湧き上がるタイミングで、その人の脳内には「神経伝達物質」が分泌されており、逆に言えば、人間の感情や思考は「脳内の神経伝達物質の分泌」によって制御されている、と言うことができるわけです。

※もちろん「神経伝達物質の分泌」以外にも、脳内では様々な物理現象が確認されており、それらが複雑に絡み合った上で、感情や思考が制御されています。

 

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「5つの感情たち」を「神経伝達物質」で考えてみる

インサイド・ヘッドは「脳の物理現象」をコミカルかつファンタジーに描いた作品

長々と説明してきましたが、つまりは上の見出し文の通りです(;^_^A

 

「ライリーの頭の中に住む5つの感情たち」と上述した「神経伝達物質と脳の仕組み」を照らし合わせると、彼らの役割やライリーにもたらした変化について、ファンタジーとは思えない、非常に納得のできる説明が可能になるわけです。

 

つまり、インサイド・ヘッドは「脳内の物理現象をコミカルに描いた物語」と言うことができるわけですね。

 

もちろん、描き切れていない面も多々ありますが、意外と忠実に「脳と心の仕組み」を表現しているんですよね(;^_^A

以下でもう少し具体的に考察していきます。

 

「5つの感情たち」に当てはまる神経伝達物質を考えてみた

では「5つの感情たち」に、彼らの役割に当てはまる代表的な神経伝達物質を挙げてみたいと思います。

 

★ヨロコビ⇒ドーパミン

まずは、本作の主人公と言ってもよい「ヨロコビ」ですが、彼女は「ドーパミン」という神経伝達物質になると思います。

 

ドーパミンは「快の感情」を司る神経伝達物質とも言われていて、楽しさに基づく興奮や幸福感、あるいは意欲的でポジティブな状態の際に分泌されます。

遠足の前の日にワクワクして興奮して眠れなくなりましたよね。あれです(笑)

 

 

安らぎという意味で「セロトニン」とも迷ったのですが、後述するカナシミにも該当すると考えたので、ヨロコビはドーパミンにしました。

 

★カナシミ⇒セロトニン

次に、そのネガティブな性格が非常に印象的な「カナシミ」です。

彼女には、上述した「セロトニン」という神経伝達物質を挙げたいと思います。

 

セロトニンは「安らぎ」を司る神経伝達物質と言われていて、その分泌によって幸福感や安心感が得られるだけでなく、精神安定や睡眠導入にも関わっていると言われています。

逆に、ドーパミンやノルアドレナリンを抑制して、テンションの上昇を戻し、落ち着きを取り戻すのもセロトニンの役割だと言われています。

 

また、セロトニンの分泌が抑制されることで「悲しみ」や「抑うつ感」がもたらされます。脳が継続的にショックを受けすぎて「セロトニンがこれ以上出せない状況」になってしまうのが、うつ病などの心の病気の原因だとも言われています。

 

「泣くとスッキリする」ってあるじゃないですか。まさにこの「悲しみ⇒安らぎ」の流れがセロトニンの機能です。この機能が、まさに物語終盤のライリーの復調の要因になったと言うことで、カナシミをセロトニンとすることにしました。

 

★イカリ⇒ノルアドレナリン

ストイックで短気な性格が特徴の「イカリ」については、「ノルアドレナリン」という神経伝達物質を挙げたいと思います。

 

「アドレナリン」という物質は聞いたことがあるのではないでしょうか。アドレナリンは「闘争と逃走のホルモン」と呼ばれ、自分の身に危険が迫った際にガッ!と熱くなるためのホルモンです(笑)

 

ノルアドレナリンは、この「脳で働くアドレナリン」と考えてもらえれば良いです。神経伝達物質として、やる気やストイックさに強く関わります。ライリーがアイスホッケーをやっていた場面で、「イカリの出番!」とも言われていましたしね。

 

その反面、分泌が過剰になると攻撃的になったり、イライラして短気になるなどします。作中でもイカリがカッとなってライリーが反抗的な態度を取ったり、家出をしたりしましたよね。

そういう意味で、5つの感情たちの中で、イカリがノルアドレナリンに最も相応しいと考えました。

 

★ムカムカ、ビビリ⇒ライリーの記憶と自我

そして、最後はこの2人「ムカムカ」と「ビビリ」です。この2人には、ピッタリ該当する神経伝達物質はありませんでした(;^_^A

逆に、この2人に関しては、ライリーの記憶や経験、自我に由来する思考と行動を司っているのではないか、と考えました。

 

ビビリは、ライリーの危機察知の役目を担っており、全ての行動に対し客観的な「歯止め」の意見を提示します。

また、ムカムカはファッションや好き嫌いなどに過敏に反応していることから、ライリーの「プライド」や「欲望」を司っていると取れる描写が存在します。

 

これらのことから、ムカムカとビビリだけは「神経伝達物質で制御される感情」と言うよりは、ライリーの「記憶」や「経験」、「自我」からくる思考を司るキャラクターなのではないか、と考えました。

 

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ライリーの精神状態はどうなっていたのか

ヨロコビとカナシミ不在中の抑うつ状態

ライリーの精神状態は、上述した「5つの感情たち」の認識によって、ある程度の仮説を立てることができます。そこで、まずは「ヨロコビとカナシミが脳内会議の場からいなくなった精神状態」について考えてみましょう。

 

「ドーパミン(ヨロコビ)」と「セロトニン(カナシミ)」の離脱により、これらの神経伝達物質の分泌不全が発生します。ドーパミンは「楽しい、前向きな感情」セロトニンは「安らぎの感情」を司っているので、ライリーが「楽しさ、前向きさ、安らぎ」を感じることができない、いわゆる抑うつ状態となっている可能性が非常に高いと考えられます。

 

また、脳内会議の場では、「ノルアドレナリン(イカリ)」による怒りやカッとなる感情と、過剰な「危機察知(ビビリ)」の神経質さ強い「自我(ムカムカ)」のわがままな思考が前面に出ていることになり、精神的に非常に不安定で、ライリー自身も制御できない状態であることが分かります。

 

このような不安定な精神状態により、ライリーは酷い抑うつ状態に苛まれるわけです。

 

ライリーを救った「悲しみ」の感情とセロトニン

そんなライリーを最終的に救ったのが「カナシミ」の存在でした。

これが、カナシミを象徴する神経伝達物質が「セロトニン」だと考えた理由です。

 

悲しみの感情を強く感じていたライリーが、初めて自分の「悲しみ」を認識し、その感情を両親に伝えます。それは、自分の弱さを認める勇気ある行動でもあり、ライリー自身が成長した瞬間でもありました。家族でお互いの辛さを共有し合い、乗り越えていくことで、悲しみは癒え、新しい第一歩を踏み出す勇気になったのです。

 

そして、カナシミの「セロトニン」としての機能も、ここで本領が発揮されます。

涙を流し、自分の弱さを両親と共有したことで、悲しみは安らぎに変わりました。新しい素敵な思い出を作るための前向きなヨロコビのエネルギーに繋がったわけです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

以上がインサイドヘッドの考察でした。

 

「動物の行動と感情は、全て脳の物理現象の結果である」という科学的な事実を
コミカルかつ、ファンタジーとして描くことで忠実に表現しているわけですね。「一人の女の子の成長譚」としてだけではなく、なかなかに考えさせられる作品だったと思います。

 

皆さんも、自分の脳内の感情たちを大切にしてあげてください。また、時にはカナシミを表現するために、涙して、弱みを誰かと共有することで、ヨロコビに繋がるエネルギーを、明日に繋がるエネルギーを生み出すようにしてくださいね。

 

では、また。

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